カブトムシのつがい
5歳の次男が質問するには「人はいつかしむ(死ぬ)の?」「死んだら人はどうなるの」と聞いてきます。
改めて聞かれると何と答えていいのか戸惑う質問です。
自分がいつごろから死を意識したか忘れてしまいましたが、彼がこのように感じたのは理由があったのです。
それはカブトムシでした。
去年の夏、カブトムシのつがいをもらいました。
すごく立派なカブトムシで、
うまく結婚して卵が産まれたときはすごくうれしかったのです。
カブトムシは一緒の箱に入れておくと必ず結婚しほとんどの場合は卵を産むのだそうです。
自然界で見つけたカブトムシのメスもほぼ妊娠しているそう。
捕まえて上手に飼うことができれば卵を産んでくれるのだそうです。
ペット・動物・虫など生き物の命の大切さを知ってほしい
さて、産まれた卵は本当に小さくて黄色くて透明感があるもの。
4個産まれました。
はかなささえ感じましたが、一か月ほどして小さな幼虫に孵りました。
これがカブトムシになるの?というほど小さい幼虫です。
その幼虫を大きく育てられるかはママにかかっています。
私は栄養のある飼育用の腐葉土を買ってきて大事に育てました。
カブトムシの幼虫は土をどんどん食べて栄養を付けて、フンをどんどん出します。
土は油断していると一気にひらぺったいふんだらけになってしまいます。
土とフンの見分けってつくの?と思われるかもしれませんがこれは誰でもつくのです。
フンは小さな丸い塊で、これがいっぱいになってしまうと幼虫は食べるものがなくなってすぐに弱ってしまうのです。
一度ふんだらけにしてしまってかなり焦りました。
失敗もありましたが無事に3匹の幼虫が大きく成りました。
いよいよさなぎになる時期です。
さなぎになる直前に一匹一匹個別の瓶で飼育した方がいいと聞いたのできちんと分けて育てました。
そして、ある日、成虫のカブトムシが瓶の中にいるのを見つけました。
子供は大感動。
あの小さな卵がカブトムシになった!と大騒ぎです。
全部で2匹羽化しましたが、一匹はさなぎのままふ化する事はなく死んでしまいました。
卵の時点で一匹が孵らず、成虫になれたのは4匹中2匹と厳しいものです。
このカブトムシたちは兄弟なので結婚させない方がいいと思い、別のカブトムシのメスをもらってきて結婚させようとしました。
けれど、新しく来たメスは卵を産むことなく死んでしまいました。
この経験をして、子供は虫は生まれて死んでいくということを学んだようです。
では、人間は?という考えに思い至ったのも無理はありません。
子供に死んだら何もないんだよ、だから命は大事なんだよと命の大切さを伝えるか、
天国に行くんだよ、亡くなった人は見守ってくれているんだよと不安を感じさせないように伝えるか悩みどころです。
嘘はつけないので「人はいつか死ぬけれど、お空にのぼって生きている大事な人を見守っているんだよ」と説明しました。
それで納得したようです。
命の大切さを知ってほしいし、どう説明するのかはその年齢によって考えていかなければいけません。
犬や猫などのペットであればペット・動物専用の保険があり、動物病院で治療を受けて延命することが可能です。
しかし昆虫ともなると病気になったとしても延命してあげられる方法が確立していないため、まだまだみとってあげることしかできないのが現状です。
いつか昆虫にも延命治療ができる時代になるころにはもっと違う説明をしてあげられるようになるのかもしれませんね。