学童保育を調査してみる

計算する子供

私が主婦で基本的に家にいるため、子供たちを学童に入れたことはありません。
ゴールデンウィークや夏休み、冬休みなどで「友達は学童だから一緒に遊べない」と子供に言われてハッとしました。
共働きや一人親世帯の方の場合、子供は夏休みでもお仕事はありますよね。そういうときに学童を利用するということを改めて知ったのですが、きちんと調べたことがなかったので学童保育について、調べてみました。

学童保育とは?

学童の正式名称は放課後児童健全育成事業の通称「放課後児童クラブ」です。厚生労働省の管轄で運営されていますが、自治体が運営する公立学童や企業が運営する民間学童に分類されます。
長期休暇や学校の授業が終わったあとなど、親のかわりに子供を見てくれる施設です。フルタイム勤務していると、小学校低学年の授業が終わる時間までに帰宅するのは厳しいでしょう。そういう方のために子供の宿題を一緒にしたり、絵本を読んだり、体を動かす遊びをしたりなど、一般の家庭で取り組むことと遜色のないような「生活の場」を提供しています。
学校の授業というより、お家で過ごす環境に近づけられているので、おやつを食べたりお昼寝をしたり、小さい子供から高学年の子供まで楽しく過ごせるでしょう。

学童の種類は複数ある?

公設公営

公設公営学童は、希望者の中から抽選で入所できます。基本的に利用料は5,000円程度で、オヤツやイベントに関わる雑費が別途かかりますが数千円程度です。
市町村が運営する公設公営タイプは、学校の敷地内に併設されている場合が多いので、学校から移動する際の心配がありません。学校の校庭を使えるため、ボール遊びや大縄跳びなどの広さが必要な遊びもできます。学童に参加することで学校の友達が増えるというメリットもあります。指導員は基本的に公務員が対応するため、先生の異動や回転が多く感じることもあるようです。

公設民営

市町村などの自治体が設置した学童施設を、民間事業が運営している学童で「放課後子ども教室」と呼ばれることもあります。公設民営も公営と同様に学校などの施設内に併設されていたり、放課後の空き教室を利用したりして活動します。公営との違いは、指導員が地域ボランティアや祖父母、OB教員という点です。公設公営に比べて少し価格が高めになっているようで月の平均は7,000~8,000円ほど。
公設は公営・民営どちらも夜17~18時までになっているところが多く、保育園の延長保育のようなサポートが基本的にありません。時間的に難しい場合は、民設民営学童を選ぶことをおすすめします。

民設民営

民間企業なので習い事のような学童になっており、親が仕事をしていなくても入所可能です。時間が公設に比べて遅めに設定されていることが多いため、公設学童では間に合わない方に向いています。その分月謝という形で月に30,000~50,000円ほどかかりますが、民設民営型は塾のような勉強のサポートがあったり、送迎バスで送り迎えをしてくれたりする教室もあるのが特徴です。学校のお友達とはバラバラになってしまうのですが、新しいお友達を見つけることもできます。

学童では何をするの?

施設によってスケジュールやプログラムは様々ですが、宿題の時間・おやつの時間・遊ぶ時間をベースにスケジュールされています。
塾のような学習サポートのある施設では、プログラムの中に英語のレッスンやそろばんの授業などが盛り込まれていることも。公設民営系の放課後子供教室では、宿題以外は全てフリー時間の場合が多いので、自分で何に取り組むか考えて行動できるようになるかもしれません。

1日のスケジュール

平日と休日で内容が少し異なります。
■平日

  • 14:00~ 子供たちが学校から直接ランドセルをもって学童へ向かいます。
  • 14:30~ まず宿題を終わらせます。
  • 15:00~ おやつタイム!今日のプログラムや予定を連絡します。
  • 15:30~17:00 子供たちに合わせたプログラムや施設内でスポーツなどに取り組む時間
  • 17:00~18:00 お迎えタイム

曜日によってプログラムや取り組む内容が異なります。ほかにも、年間行事イベントに合わせて準備したり、練習をしたりします。

■日・祝以外の休み

  • 8:00~ 入室したら学習タイム(夏冬休みは課題)
  • 9:00~ 子供たちに合わせたプログラムや施設内でスポーツなどに取り組む時間
  • 12:00~ お昼ご飯(お弁当が必要な施設と準備してくれる施設があるので確認しましょう)
  • 13:00~ 小さい子はお昼寝。絵本を読んだり、アニメをみたり、室内でゆっくり過ごす時間
  • 14:00~ 午後のプログラムやスポーツを行う時間
  • 15:00~ おやつタイム
  • 15:30~17:00 午後のプログラムやスポーツを行う時間
  • 17:00~19:00 お迎えタイム

休日の場合は平均的に朝8:00~開所という施設が多いようです。お迎えの時間が19時まで伸びる施設もありますので、入所の際にチェックしておきましょう。

年間スケジュール

学童では時期ごとにイベントを開催しています。お誕生日会や、途中入所者の歓迎会などを行っている施設もあります。
遠足や運動会などには、親子で参加も可能。授業参観とは違った親子で一緒に取り組むという形なので、子供の新しい一面が見えたり、ほかのお友達とどういった交流しているのかが見えたり、参加すると得られるものはたくさんあるようです。仕事で忙しいときも、年に数回の行事だけは参加してあげると子供も喜びそうですね。

  • 4月 入所式、生徒と保護者を歓迎する会を執り行う施設もあります。
  • 5月 こどもの日はゲーム大会、母の日のプレゼント作り、施設に慣れるようにサポートしてくれます。
  • 6月 七夕飾りの準備、お誕生日会など
  • 7月 夏休みスタートで宿題を一緒に進める、七夕イベント、キャンプする施設も。
  • 8月 夏休みの宿題サポート、流しそうめん大会、プールや川など施設外で水遊びへ。
  • 9月 スポーツ大会、親子登山、ハロウィン準備を進めます。
  • 10月 ハロウィンパーティー、文化祭で楽器演奏や出し物をする施設もあります。
  • 11月 運動会、お誕生日会など
  • 12月 クリスマス会、冬休みの宿題サポート
  • 1月 餅つき大会、かるた遊び、凧あげなど
  • 2月 節分、マラソン大会
  • 3月 卒所式、親子遠足

対象の年齢は何歳から何歳まで?

公設では小学1年生から入所でき、6年生まで在籍できます。民営では年齢制限がないので、何歳まででも可。
多くの子供が3~4年生くらいで退所していくそうです。家に一人で留守番ができるようになったり、一人で遊びに出かけられるようになったりするタイミングで退所していきます。
高学年になると学習面のサポートをしっかりしてくれる施設や塾へ転所する子も多いそうです。

学童にかかる費用はいくらくらい?

公設公営 公設民営 民設民営
時間 18時まで
(日祝日は基本的にお休み)
17時まで
(長期休暇はお休みになる場合がある)
24時まで開いているところも。
(土日祝日も開いている施設もあります。)
料金 5,000~7,000円 5,000~7,000円(無料の施設もあります。) 30,000~50,000円
サポート ・学校の中に施設がる
・宿題やおやつの時間以外はフリータイム
・宿題以外は全てフリータイム ・英語やダンス等の教育プログラムがある
・送迎バスが利用できる施設もある

各施設の平均の金額を記載しています。自治体によって金額が異なる場合や、預かり時間、サポート内容にも差がありますので、入所を希望される際は、事前に施設へ確認しましょう。

公設公営、公設民営、民設民営のメリットデメリット

公設公営学童のメリット・デメリット

公設公営学童では、親が仕事をしていることが条件になりますが、施設利用料が安いので人気が高いです。学校の大きな校庭や園庭などで遊べるので子供からも喜ばれます。小学校が終わったあと、そのまま通えるので、安心して預けられるでしょう。
ただ、デメリットとして希望者が多い場合や自治体の選定基準によっては抽選になることも。落選してしまうと来年まで基本的には入所できません。外れてしまった人は民営の施設へ預けるか、ファミリーサポートなどを利用しているそうです。「学童の待機児童」が増えているのが社会問題としてあげられているほどなので、抽選の方法や入所の仕方については施設に問い合わせてみましょう。

公設民営学童のメリット・デメリット

誰でも利用できて、いつでも好きなように遊べるという形はメリットにもデメリットにもなります。自治体によりますが5,000~7,000円ほどかかるところや無料で開放しているところもあります。指導員の得意分野を教えてくれるので、ケーキ屋さんがお菓子作りを教えてくれたり、釣具屋さんが釣りの仕方を教えてくれたりなど地域特有の学びが得られます。
自由気ままに学べる公設民営学童のデメリットは、17:00までと閉所時間が早いことや、長期休暇中にお休みが入る施設もあること。公設公営に入れなかった家庭が公設民営に預けて、ちょうどいい時間で働ける職種に転職するというケースもあるようです。

民設民営学童のメリット・デメリット

親が仕事に就いていなくても入所が可能な施設です。延長保育が22時~24時まで行っている施設があるので、突然の残業にも調整がききます。夕食やお風呂のサポートしてくれる施設もありますので、仕事や家庭の状況に合わせられるのがメリットです。また、学習プログラムがしっかり組まれているので、ほかで習い事を掛け持ちして送迎する手間がありません。もし別で習い事をする場合でも、送迎バスで習い事まで送ってくれるところもあります。
ただ、手厚いサポートがある分値段は高くなっています。特殊な勉強や教育を行っているところだと100,000円を超えるところもあるようです。

まとめ

公設公営の学童に入れたら時間的にも金銭的にも安心できそうですが、抽選という形になったときは運に任せるしかありません。サポートの内容が充実している民設民営学童では、利用料がかなり高い設定になっているので、働いた分月謝で相殺するような状態にならないよう注意しましょう。学童を選ぶときは自治体や企業で時間やサポートが異なりますので事前に問い合わせてみてくださいね。